ほほえみのもと

子育てから自分育て、笑顔の手前のほほえみのもとになれたらいいな

相手の気持ちになるということ

子育てをしていると、ケンカなどで相手の立場になって考えてほしい事が出てくる。

そういう時、相手の気持ちになってごらんと言ってしまうことも。

親の立場だと、周りのこともあるし、早急に相手の気持ちを理解させたいと思いがちだが………。

まず想像してほしい、子どもの立場になって。
自分の立場になってくれもせず、まず相手の気持ちを考えろと言われる気持ちを。

赤ちゃんの頃は「どうしたの~?オムツかなぁ~?」と、たくさん自分の気持ちに寄り添ってくれていた。
やっと自我が芽生え始め、自分の気持ちを出せるようになったら、いきなり相手の気持ちを考えろと言われる。いやまだ、自分の気持ちに気付いたばかりなのに、自分の気持ちをうまく表せもしないのに、相手の気持ちですか?

どうでしょう?
子どもの気持ちになれましたか?

子どもの気持ちになりもせず、子どもにだけ相手の気持ちになれとは、ずいぶんじゃないですか?


でも、相手の気持ちになってみるのは必要。
ならばどうする?

まずは子ども自身が、自分自身を客観的に見つめ直すことから初めてみるのはどうでしょう?

うちの息子にふとやってみたのは、ぬいぐるみを使っての再現。
ぬいぐるみが別のぬいぐるみに、さっきやった息子の行動を再現するのです。
すると「それはやっちゃダメでしょ。くまちゃんが悲しんでるよ」などと私の口調でたしなめ始めたのです。

なので大袈裟に「え~だってぇ~くまちゃんが悪いんだよう~」などと、息子が言いもしなかったのに、息子役のぬいぐるみを操作したら、真面目に「あのね、くまちゃんはね、~~~」と、くまちゃんの気持ちを代弁していた。

それからは、寝る時の絵本の代わりに息子もどきの主人公が冒険しながら、1日の振り返りをするフィクションとノンフィクション交えたインチキ話をしてみた。
時々、あまりにも悪いことした日の話では、それ(主人公)はボクなの?と聞いて来た。すごく似てるねと答えそして、どう思う?と聞くと、すごく似てるけど、ボクそんなに悪い子じゃないかなと(笑)


自分の気持ちに寄り添って貰った自覚があればあるほど、相手の気持ちに寄り添いやすくなるかなと、私は思う。

ただ、個人差によって、いくら寄り添ってもまだまだ足りないと思ってしまう子もいる。いくら話しても、見本を見せても、足りないと。
そういう時は、さりげなく録画して、落ち着いた時に、親と一緒に自分自身を見てみるのもいいかも。
その時は、楽しんでいるところを多く録画しておく事が大事。楽しんでいる楽しんでいる、ちょっと不機嫌、楽しんでいる楽しんでいるくらいの割合で(編集できたら良いね)。
すごく楽しんでいるのに、ちょっとの事で不機嫌になる自分を確認してもらう感じで。
それも様子を見ながら。
ちょっとの不機嫌で録画を拒否する子もいるから。

真っ白なキャンバスがちょっとでも汚れたら、全て台無しな気分になる子もいるので、そうかぁそうなのかぁと受け止めつつ、改めて落ち着いている時に、ちょっとの事で台無しにしない気分の変え方を親子で探るといいかも。


私の兄がそういうタイプだったと今、思い出した。ちょっとでも嫌になると、プリプリ怒り出す。父も母も怒らせないように気を遣って気を遣って、全てに配慮するのに、地雷がどこで爆発するかわからなかった。
兄は、そうやって大人になっても癇癪起こす人だったのだが、ある時爆発したときに、私の息子(小学生)に「大人なんだから、我慢しろ!」と言われハッとしながら笑っていた。
周りが気を遣ってばかりも良くないと思った瞬間だった。(でも怖くて私はこの先も言えないであろう)

きっと癇癪の納めどころは、その子その子にあるはずだが、親の対処の遅れにより、暴れ始めると手に終えないと感じてしまう。納めどころを探すより、そうならないようにを考えるのも親なのだろう。
が、先延ばしはどちらも不幸になる気がする。兄がそうだった。

小さい時の癇癪のジタバタなら、納めどころを探しようがあるかも。


私が生徒さんを、たまたま落ち着かせられた方法(その子に合わせてやるとうまく行くけど、タイプが違うと合わないのでご注意ください)

抱っこして、とにかくひたすら暴れても抱っこしたまま、泣き声のシンクロを耳元でするだけ。なるべく同じトーンで共鳴するように、でもささやくように。
泣き叫んだら何10分も泣き続ける子で、腕の中で活きの良い魚のように跳ねていたけれど、多分5分くらいで納まった。シンクロ泣きの共鳴で泣き止むタイプ。(0~1歳に多い)

ママの抱っこで泣き叫んでいて、私がちょっと良いですか?と抱っこしママから離れて「ママがいい~」と泣く子の時は「ママの所に戻ったら泣き止んでね」とお願いし、泣きながらでもウンウンとしたら、ママに戻すと納まる。
自分の意思を伝えられるので、こちらもお願いすると泣き止むタイプ。
ママしかいない時は、抱っこするから泣き止んでねとお願いして、ウンウンとしたら抱っこするなど応用できると良い。ただ泣き止んだら抱っこするというのは、なかなか泣き止まない、泣き止められない事が多い。(1~3歳に多い)

泣き叫ぶわけでも暴れるのでもなく、ひたすら泣いている場合は、抱っこするか、寄り添って、背中をさするか手を握るかして、呼吸を合わせるようにしつつ、少しずつ深くできるように深呼吸をして無言で誘ってみる。そして「どうしたかったのかな?」と聞いてみる。答えなかったら、そのまま、30~40秒深呼吸と呼吸を合わせてみる。落ち着いてきたら、原因より目的を聞いてみると、自ら解決策を話してくれるかもしれない。
気分が落ち着いたらケロッと泣き止んで走って遊びに行ったりするタイプ。(3歳~に多い)

自分の中の強いこだわりがあるかもしれない(癇癪が強い)子は、それをどうしていきたいかを考えてもらえると、解決が早くなるかもしれない。
自分で自分の感情をどうすれば良いのか、感情の迷子で途方にくれてしまう幼少期を過ごすと、暴力に走ってしまうので、なるべくなら、幼少期のうちに納めどころを自ら考えられるように、親がフォローしてほしい。
かといって親がアレコレ解決策を出し過ぎるのも、自分(子ども)の心にシックリこないと余計感情が暴れてしまうので、注意が必要。

親も大変なんだけど、感情をどうしたら良いのかわからない本人はもっと大変だと、理解してほしい。

子どもの立場になって考えてみるというのを、実は忘れがちな親がいる。
なのに相手の立場になって!と言ってしまいがち。

親こそ、まずは子どもの立場になってみる事をおすすめします。