ほほえみのもと

子育てから自分育て、笑顔の手前のほほえみのもとになれたらいいな

価値観の相違

たまに「うちの子が、ありがとうとごめんなさいが言えないんです」という親御さんの悩みを聞きます。


家族の中で常に「ありがとう」と「ごめんなさい」が使われているなら、自然と言うようになるのですが、親が言わなくてもいい(伝わる)と思っていたり、照れがあって言わないとかだと、見本がないので言うことを知らずに成長してしまうのです。

夫婦が協力できるなら、「我が子のために、多用しましょう」とあらかじめ話しておいて、子どもの前では必ず挨拶をすべて多用すると、みるみるうちにし始めます。

ある子どもと会った時、親といる時はムスッと挨拶をしなくて親に怒られていたけど、親がいない時はちゃんと挨拶をしてきたので驚いて、なんとなく両親揃っている時に聞いてみました。

私「おうちでどうやって挨拶とかしてますか?」
父「挨拶は目下のものが先にするもんだ!だから、あいつら(兄弟)がしてきたら俺はするが、あいつらはしてこないから俺はしない。目下のものが先にしなくちゃだめだろう?」
母「…(苦笑い)」
私「◯◯君は、私にはしてくれるので、いつも気持ちよく挨拶してますよ」
父「家では全くしてこないぞ!」
私「あぁでも私、目下とか関係ないから、私の方が先に声かけたりするからかしら?挨拶は大切だから、どちらが先とか考えていませんでした。なんなら先に言った方が勝ちってくらいに思ってました」
父「………目下のものが先にするもんだ!」(去る)

その後に◯◯君に「挨拶は先に言ったモン勝ちだよ。お父さんがどう思っていようと、先に言ったモン勝ち!」と言っておきました。

その後どう挨拶するようになったかは不明ですが、◯◯君はいろいろ相談に来てくれました。

支配的な父親にどうしていきたいのか悩んでいたようなので、父がどうであれ、キミはキミだよ!と。
父の言うことを聞かなくてはいけないことも沢山あるだろうけど、どうしてもイヤな時はイヤだと言っても良いんだよ、でも、もし我慢できるならキミが大人になってから、イヤだと言えば良い。子どもの内は逆らえない事が沢山あるから。
いつか大人になったら、イヤだと言っても良いんだと心にしまっておけば良いと。


母にも言ったけど、お父さんは変わらないから仕方ないの一点張りだったので、我が子のためにお父さんがいない時にフォローは忘れないでと。



親が子どものためを思って「目下のものが先に挨拶をする」とこれから大人になる時に必要なことを教えようとしていたのだけど、威張った社長もいいけど、新人に自ら先に挨拶して挨拶の大切さを教えられる社長になりそうな◯◯君だと私は思ったので。

その後、取捨選択するのは◯◯君で、どちらになるかは自由です。

ひとつしか知らずに、ガチガチにただやみくもに反抗するだけではなく、違うこと(やり方)を知って、父を反面教師にしても良いし、父を正しいと思い後を継いだら幅も広がるし。


子どもは、親の価値観がすべての時は、従わざるを得ないけど、心がずれるのであれば、違う価値観と触れて取捨選択していくのが成長に繋がるのです。


うちの中での挨拶は、どうなったのかはわからないけど、その後◯◯君は私には挨拶するし、顔色顔つきがとても良かったです。


うちの方針!と掲げるのもいいけど、それに従うかは子どもの自由なのです。

大きくなる途中で、子どもが従わなくなったら、その子は独自の方針を掲げる時が来たのです。
ですが、もっと成長したら戻ってくるかもしれません。

その時無理やり従わそうとしていたら、戻りたくても戻れなくなるので、温かく見守りましょう。