ほほえみのもと

子育てから自分育て、笑顔の手前のほほえみのもとになれたらいいな

以前、うちの孫はいじめられちゃ可愛そうだから、どうせならいじめっこになるくらいにしたいと言う祖父母に困っていると、親御さんから相談を受けたことがあります。


いじめられる子にも理由があると言うように、いじめっこに有利な考えを持つことは危険です。


たとえ理由があったとしても、いじめて良い理由にはなりません。



親が「そんなことしていると、いじめられるよ」と何かを無理やりやめさせる時に、子どもはどう考えるでしょう?

もし、そんなことしているといじめていいんだと受け取っていたら?
親公認でいじめ助長です。
その育て方は、いじめ推進に感じてしまうでしょう。


何かをやめさせたい時に、いじめを理由にしなくとも、正当な声掛けはないでしょうか?


ある親御さんから「うちの娘、何が面白いのか、鼻の穴に指を突っ込むんです。やめさせたいんです」と相談されたとき、娘ちゃんを見ると、親の話を聞いて、笑いながら両手の人差し指を鼻の穴に突っ込みました。

親御さんは「ほら~!やめなさい!」と大袈裟に嫌がって「これなんです!女の子なのに!」と。

私は、冷静に「お子さんは親のリアクションが楽しいんですよ。その嫌がり方が本当に嫌だと考えず、自分に向いてくれていると感じているのです。(ハンカチタオルを用意して)そして、手が暇だから一瞬芸みたいにやるのです。ハンカチタオルをこのように折り紙のようにして、ほら!バナナ!」と娘ちゃんにバナナのように剥けるタオルを渡します。娘ちゃんは受け取って、剥いてパクっと食べるふりをします。何回かやると形が崩れます。私は畳み方を教えて持たせます。何回も何回も自分で作って剥いて食べて畳み直して~、と夢中になってくれました。

親御さんには、「指しゃぶりも同じように、暇なのでするのです(つい先日まで指しゃぶりを親御さんから注意されて、鼻の穴に~に変化したので)。言葉でやめさせるのではなく、両手を暇にしなければ良いのです。あやとりとか折り紙とか両手を使って何か夢中になるものを見つけてみましょう。ハンカチタオルでもできるものがいくつかあります。親御さんも研究してみましょう!」
そう伝えると、ずーっとバナナを楽しそうに繰り返している娘ちゃんを見て、納得されたようです。



言葉で「いじめられるから」とやめさせるのと、根本的なところを改善するのとはまるっきり違うのです。


そして、我が子としっかり向き合って、子どもが何でも相談できる親ならば、する方にもされる方にもなりにくいです。もし、なったとしても、親がその微量の変化に気づけたのなら、最悪なことにはなりません。


子どもが何でも相談できる親は、子どもを信じている親です。


もし、我が子がいじめられていたら、心も身体も全力で守りましょう。

もし、我が子がいじめている方なら、全力で心と身体を抱き締めましょう。


どちらの子どもも、心が何かを叫んでいます。
聞く耳を持ちましょう。